国民的漫画である「サザエさん」。昨日は、カツオ君の親友である中島君が「人とはなんぞや」という壮大な問題について悩んでいました。その中で、「人間は考える葦(あし)である」という有名な言葉が紹介されていました。
小学5年生にしてパスカルです・・・。
深いです、中島君。
中島君に指摘されるまでもなく、人間とは「考える」生き物です。考えることができるために、様々な悩みや問題も生じます。この「考えること」に焦点を当てる心理療法に認知療法・認知行動療法というものがあります。
認知療法・認知行動療法は、比較的新しい心理療法ですが、近年急速に広まってきています。様々な問題に適用できますが、特に「うつ病」に対する効果の高さから、NHKなどで取り上げられたり、2010年4月より健康保険が適用可能になったりしたので、耳にしたことがある方も多いと思います。
「認知」とは、簡単に言うと「考え」のことです。認知療法・認知行動療法では、心の問題は不適切な思い込みや偏った考え方のために生じる、と考え、出来事や経験をどのように受け取るのか、に注目します。そして、考え方と行動に介入することによって、思考や感情、行動に変化をもたらそうとします。
例えば、ある人が仕事でミスをして上司から叱られるとします。この時、「自分はダメな人間だ」と考え(認知)、気分は落ち込み(感情)、会社に行けなくなる(行動)、という具合に、何を考え(認知)、どう感じ(感情・気分)、何をするか(行動)というつながりをみていくのです。
考え方を変えるといっても、とにかく明るく前向きに考えましょう、などと言っているのではありません。ポジティブな考え方に変えるのではなく、より現実に合った考え方に修正していきましょう、ということです。
テレビの影響力は強く、認知療法や認知行動療法をすれば、どんなうつ病も治る、と誤解される方も多いです。でも、万能な心理療法など存在しませんし、「うつ」が多様化している現在では、「うつ=認知療法・認知行動療法」などという単純な図式も成り立たない、と個人的には感じています。
問題の内容によっては、他の心理療法の方が役に立つこともあります。
また、認知療法・認知行動療法は自習本がいくつも出版されていますが、一人でやろうとしてもなかなかうまくいかないことも多いです。
自分に合ったやり方を一緒に探す、という意味でも、一度専門家にご相談ください。
さて、一足早く思春期に足を踏み入れた中島君。カツオ君との友情がどうなるのか、引き続き経過を追ってみたいと思います。
by 中島君の名前が「ヒロシ」だと初めて知ったカウンセラー
カウンセリングルーム虹